オープン型MRI
オープン型MRIとは
オープン型MRIとは、磁気共鳴画像装置(Magnetic Resonance Imaging)の一種で、その名の通り、開放的な設計が特徴です。これにより、患者様がMRIスキャン中に感じる閉鎖感を軽減できるのが特徴です。従来のMRI機器は「トンネル型」で、患者様が装置の中に入り、その狭い空間で検査を受ける必要がありました。これは特に閉所恐怖症の人々にとっては大きなストレスとなり、検査の際に無理に耐えなければならない場合がありました。
しかし、オープン型MRIではこの問題が大幅に改善されます。検査台が開放されているため、上下左右が開いていて広々とした空間で検査を受けることができます。これにより、閉所恐怖症の人や子供、高齢者など、従来のMRI検査が困難だった人々も安心して検査を受けることができるようになりました。また、オープン型MRIは検査中に患者様の隣に立つことが可能なため、医療スタッフが患者様を直接見守り、声をかけることができます。これは患者様の安心感につながり、よりリラックスして検査を受けることが可能となります。
さらに、体形や体重が大きい患者様にとっても、オープン型MRIは利点があります。従来のトンネル型MRIでは体が装置に収まらない場合がありましたが、オープン型MRIではそのような心配がありません。これらの特徴により、オープン型MRIは様々な患者様に対してより快適で効果的な画像診断を提供します。また、MRI技術の進歩に伴い、オープン型でも高解像度の画像を提供する機器も増えてきています。
整形外科領域におけるMRI診断
1. 骨折と亀裂:X線は骨折の検出によく使用されますが、特定の種類の骨折や小さな亀裂は見逃すことがあります。MRIはこれらを詳細に見つける能力があります。
2. 軟骨の損傷:MRIは膝関節などの軟骨の損傷を詳細に映し出すことができます。これは関節の機能を回復するための治療戦略を決定するのに重要です。
3. 靭帯と腱の損傷:スポーツ外傷や事故により、靭帯や腱が伸びたり、部分的あるいは完全に断裂することがあります。MRIはこれらの損傷を詳細に検出し、治療の計画を立てるのに役立ちます。
4. 腫瘍:骨や軟部組織の腫瘍を検出するためにもMRIが使用されます。また、既知の腫瘍の大きさを評価し、治療の効果を追跡するのにも有効です。
5. 変形性関節症:MRIは関節の慢性的な変性状態、特に変形性関節症を検出するのに役立ちます。これにより、関節の軟骨の劣化の程度や炎症の存在を確認できます。
6. 脊椎と脊髄の問題:ヘルニアや脊椎狭窄症などの脊椎疾患や、脊髄の損傷や圧迫を検出するのにMRIは非常に有用です。
これらのように、MRIは整形外科領域での診断において強力なツールとなり、精確な治療計画を立てるために必要な詳細な情報を提供します。
メリット
- 1. 広々とした空間: 通常トンネル型のMRIでは、狭いスペースに入る必要がある為、これが閉所恐怖症を引き起こす原因となることがあります。オープン型MRIは広々とした空間で検査が行われるため、閉所恐怖症の方への負担が少なく安心して受けられます。
- 2. お子様や高齢者の方: 通常トンネル型のMRIでは、狭くて、暗いこともあり、小さなお子様や高齢者の方で、同じ体制の保持をすることが難しい場合があります。オープン型のMRIでは負担が少なく検査を受けやすいです。
- 3. 体格の良い方: オープン型MRIは、体格の良い方や肥満体の方でも受けるやすく、より多くの人々にMRI検査を提供することが可能です。
- 4. 検査位置の自由同が高い: オープン型MRIは構造上、患者様の体位を調整しやすいため、特定の体部位に対して詳細に検査をするために最適な位置に調整することが可能です。